「積算」の基本と効率化(受注者編)

土木工事において積算は、入札の成否を左右する重要な業務です。積算を正確に行うことで、適正な価格での受注を実現し、工事の採算性を確保することができます。本記事では、土木積算の基本から効率化までを解説し、実務で役立つテクニックを紹介します。

1. 土木積算の本質理解

なぜ土木工事では「積算」が重要なのか

土木工事の積算は、単なる工事費用の計算ではなく、入札を勝ち抜くための戦略的ツールです。公共工事における積算の重要性は以下の点に集約されます。

透明性の確保と公正な競争:公共工事の資金源は税金であるため、発注者は定められたルールに基づいて予定価格を算出します。このルールを理解することが入札成功への第一歩です。

予定価格と最低制限価格の推定:適切な積算により、発注者が設定する予定価格と最低制限価格を高い精度で推定できます。これが適正な応札価格の決定につながります。

工事の採算性判断:正確な積算は、工事の受注金額を事前に把握し、実行予算と比較することで、赤字工事を未然に防ぐための重要な指標となります。

競争力の強化:積算精度を向上させることで、競合他社と差別化し、落札率を高めることができます。

土木積算の重要性について、ある積算担当者はこう語っています:「積算は単なる計算作業ではありません。発注者の考え方を理解し、それを自社の積算に反映させる『頭脳戦』なのです。」

積算と見積りの決定的な違い

官公庁発注の土木工事における「積算」と「見積り」は、目的と手法において明確に区別される概念です。

積算

  • 発注者の予定価格を推定することが主目的
  • 標準歩掛や公表単価を用いる
  • 発注者の思考プロセスに沿って計算する

見積り

  • 実際の工事にかかるコストを算出することが主目的
  • 自社の実績データや取引先からの見積単価を用いる
  • 自社の施工方法や効率性を反映

例えば、アスファルト舗装工事では、見積りでは自社の施工班の効率性や材料の仕入れ価格をベースに計算しますが、積算では発注者が用いる標準歩掛と公表単価をもとに計算します。両者の金額には往々にして差が生じますが、入札を勝ち抜くためには「積算」の精度が決め手となります。

発注者の考え方を理解する

土木積算の最大のポイントは、発注者の思考プロセスを理解し、それを自社の積算に反映させることです。そのためには:

発注機関の積算基準の把握:国土交通省、各都道府県、市町村などの発注機関ごとに積算基準が異なります。それぞれの特徴を理解することが必要です。

過去工事の研究:過去の類似工事の積算内容を研究して分析することで、発注者の積算の癖や傾向を把握することが効果的です。

積算基準書の熟読:「土木工事標準積算基準書」を熟読し、発注者がどのような理論や計算方法で予定価格を算出しているかを理解します。

地域特性の考慮:同じ工種でも地域によって単価や積算の考え方が異なる場合があります。地域特性を反映させた積算が必要です。

入札価格と予定価格の関係性

入札における価格設定の戦略は、予定価格と最低制限価格(または調査基準価格)の積算精度に大きく依存します。

予定価格:発注者が積算基準に基づいて算出した工事の上限価格。これを超える金額での応札は無効となります。

最低制限価格:品質確保の観点から設定される下限価格。これを下回る応札は失格となります。発注者によって、算出根拠が異なります。

調査基準価格:低入札価格調査制度において設定される基準価格。これを下回る応札は詳細な調査の対象となります。

積算の目的は、この予定価格と最低制限価格をいかに正確に推定し、その間の適切な位置に応札価格を設定するかにあります。精度の高い積算は、競争力のある応札と適正な利益確保の両立を可能にします。

2. 建設会社の積算担当者に求められる資格とスキル

必須となる知識と経験

土木積算を担当する技術者には、以下の知識と経験が不可欠です。

土木工事の施工知識:各工種(土工、コンクリート工、舗装工等)の施工方法や特性について深く理解していることが必要です。

設計図書の読解力:設計図面、仕様書、数量計算書などの設計図書を正確に読み解く能力が求められます。

積算基準の理解:国土交通省や各地方自治体の積算基準について熟知していることが重要です。

単価情報の収集・分析能力:建設物価や積算資料などの公表資料から適切な単価を選定する能力が必要です。

情報処理・分析能力:膨大な情報から必要なデータを抽出し、分析する能力が求められます。

数理的思考力:複雑な計算や補正を正確に行うための数理的思考力が必要です。

これらの知識と経験は、実務経験を通じて徐々に培われていきますが、効率的に習得するためには体系的な学習と資格取得が有効です。

取得すべき資格とその活用法

土木施工管理技士

土木施工管理技士は、土木工事の施工管理に関する高度な知識と技術を証明する国家資格です。積算業務においては、工事全体を俯瞰した視点での検討が可能になります。

この資格は建設業界で高い価値を持ち、取得レベルによって様々な役割を担えます。1級土木施工管理技士の取得者は「営業所ごとに置く専任の技術者」及び現場に配置する「監理技術者」として活躍できます。また、2級土木施工管理技士は、建設業許可を受ける際に必要な「営業所ごとに配置する専任の技術者」、「建設工事における主任技術者」として認められます。施工管理を実施する上で不可欠な資格といえるでしょう。

活用法:土木施工管理技士の知識は、歩掛や施工条件の判断、現場条件に応じた補正の検討など、積算の実務に直接活かせます。また、工事経験を通じて得られた知見を積算に反映させることで、より実態に即した積算が可能になります。

建設業経理士

建設業経理士は、建設業の経理処理に特化した知識と実務能力を証明する資格です。企業の財務面から事業を支え、経営判断に必要な数字を管理する専門家として位置づけられています。 この資格は1級から4級に区分され、いずれも建設業の会計処理や税務、原価管理などの知識を問うものです。取得者は建設会社の経理部門で中核を担うだけでなく、現場と経営をつなぐパイプ役として活躍できます。特に中小建設企業においては、限られた経営資源を効率的に活用するための財務的視点を提供する重要な存在といえるでしょう。

活用法:建設業経理士の知識は、工事の採算性判断や間接費の計上方法、一般管理費等の設定など、積算の経済的側面の検討に活かせます。また、入札価格の戦略的設定にも役立ちます。

実務に活かせる資格の選び方

資格取得は目的ではなく手段です。効果的な資格選択のポイントは以下の通りです。

  1. 自社の主要工種に関連する資格を優先:道路舗装が主体なら舗装施工管理技術者、橋梁工事が多ければ鋼構造物施工管理技術者など、自社の事業内容に応じた資格を選びましょう。
  2. キャリアパスを考慮した段階的取得:2級土木施工管理技士→1級土木施工管理技士→技術士というように、段階的に専門性を高める資格取得計画を立てることが効果的です。
  3. 発注者が評価する資格を意識:総合評価方式の入札では、技術者の保有資格が評価点に影響します。発注者がどの資格を高く評価するかを研究し、戦略的に資格取得を進めることが重要です。

積算のプロフェッショナルを目指すなら、まずは土木施工管理技士の取得を基本とし、そこから自社の特性や自身のキャリアプランに応じて専門資格を追加していくことをお勧めします。

3. 積算から入札までの実務プロセス

設計図書の分析と積算条件の整理

積算の第一歩は、設計図書を正確に分析し、積算条件を明確にすることです。

  1. 設計図書の確認
    • 設計図面: 工事範囲、構造物の形状・寸法、施工条件などを確認
    • 特記仕様書: 特殊な施工条件、材料仕様、品質管理基準などを確認
    • 数量計算書: 発注者が算出した数量と照合し、差異がないか確認

発注者によっては設計図書に積算条件が明示されていない場合があり、その場合は、自ら現場条件を把握し、積算条件を整理する必要があります。

  1. 現場条件の把握
    • 施工場所の地形・地質条件
    • 周辺環境(市街地、山間部など)
    • 交通規制の有無
    • 作業時間の制約
  1. 積算条件の整理
    • 工種区分の判別
    • 施工地域区分の確認
    • 補正係数の適用条件チェック

これらの情報を整理することで、発注者と同じ条件での積算が可能になります。設計図書と現場条件に差異がある場合は、発注者の考え方に沿って積算することが原則です。

工種区分と施工地域区分の見極め方

積算における重要な判断ポイントとして、工種区分と施工地域区分の見極めがあります。

工種区分の見極め:

  • 土木工事標準積算基準書には、「道路改良」「舗装」「橋梁下部」など、工種ごとに異なる積算基準が設定されています。
  • 工種区分によって間接工事費率(共通仮設費率、現場管理費率、一般管理費率)が異なるため、正確な判別が重要です。
  • 複合工事の場合は、主たる工種の判別が必要です(工事費が最も大きい工種を主たる工種とすることが一般的)。

施工地域区分の見極め:

  • 「一般交通の影響を受ける区域」「市街地」「山間地」「DID地区」など、施工地域によって補正係数が適用されます。
  • 地域区分の判定基準を理解し、正確に適用することが必要です。
  • 地域区分による補正は直接工事費や間接工事費に大きな影響を与えるため、慎重な判定が求められます。

実務のポイント:

  • 過去の類似工事の積算書を参考に、発注者がどのように工種区分や地域区分を判定しているかを把握しておくことが有効です。
  • 特記仕様書や現場説明書に明記されていない場合は、発注者の考え方を予測して判断する必要があります。

単価設定の重要ポイント

積算における単価設定は、積算の精度を左右する最も重要な要素の一つです。

  1. 公表単価の活用:
    • 「建設物価」「積算資料」などの物価資料に掲載されている単価を基本とします。
    • 複数の物価資料に掲載されている場合は、発注者がどの資料を参照しているかを把握することが重要です。
    • 単価の適用時期(月)を正確に把握することも重要です。
  2. 地域単価の反映:
    • 同じ材料でも地域によって単価が異なります。
    • 発注者が使用する地域単価を把握し、反映させることが必要です。
    • 特に生コンクリートや骨材などの地場材料は地域差が大きいため、地元の単価情報を収集することが有効です。
  3. 見積徴収単価の取扱い:
    • 物価資料に掲載されていない特殊な資材や工法については、発注者は複数の業者から見積りを徴収し、その平均値や最低値を採用することが一般的です。
    • 同様に、自社でも複数業者から見積りを取得し、発注者の判断に近い値を予測することが重要です。

特記仕様書との整合性確保

特記仕様書は、標準的な仕様と異なる特殊な条件や要求事項を明記した重要な書類です。積算においては特記仕様書の内容を正確に反映させることが必須となります。

  1. 特殊仕様の把握と反映:
    • 特記仕様書に記載された特殊な材料や工法を積算に反映させます。
    • 標準工法と異なる場合は、それに応じた歩掛の修正や新規作成が必要となります。
  2. 施工条件の確認:
    • 作業時間の制限(夜間作業、時間制限等)
    • 交通規制の条件(片側交互通行、全面通行止め等)
    • 騒音・振動対策の特記事項
  3. 安全対策の確認:
    • 交通誘導員の配置基準
    • 特殊な安全教育の実施要件

これらの特記事項は発注者の積算にも当然反映されているため、見落としなく積算に組み込むことが重要です。特記仕様書と標準仕様書の整合性も確認し、矛盾がある場合は特記仕様書が優先されることを念頭に置いて積算を進める必要があります。

4. 積算精度を高めるテクニック

物価資料の効果的な活用法

積算の精度を高めるためには、物価資料を効果的に活用することが不可欠です。

  1. 主要な物価資料の特徴理解:
    • 建設物価(一般財団法人 建設物価調査会): 全国の資材価格、機械賃料等を網羅。月刊誌として発行されています。
    • 積算資料(一般財団法人 経済調査会): 全国の資材価格、機械賃料等を掲載。月刊誌として発行されています。
    • 土木コスト情報(一般財団法人建設物価調査会): 工事の歩掛や複合単価を掲載。年4回発行されています。
    • 土木施工単価(一般財団法人 経済調査会): 工事の歩掛や複合単価を掲載。年4回発行されています。
  2. 発注者の参照資料の特定:
    • 多くの発注者は特定の物価資料を優先的に参照しています。-過去の積算資料を入手し、どの資料が参照されているかを確認します。
    • 同じ材料で複数の資料に掲載されている場合、発注者がどの値を採用しているかのルールを把握します(最安値、平均値など)。
  3. 効率的な情報収集:
    • 物価資料のデジタル版(Web版)を活用し、最新情報に素早くアクセスします。 Web版にしか掲載されていない単価もあります。
    • 定期的に価格変動をチェックし、トレンドを把握します。

実務のポイント:

  • 物価資料は毎月更新されるため、入札時期に合わせた適切な版を参照することが重要です。
  • 同じ材料でも資料によって掲載単価が異なる場合があるため、複数の資料を比較検討することが有効です。

現場条件の正確な反映方法

積算においては、設計図書に示された現場条件を正確に把握し、それに応じた補正を適切に行うことが重要です。

  1. 現場調査の重要性:
    • 可能な限り実際の現場を調査し、設計図書に記載されていない条件も把握します。
    • 周辺環境、交通状況、地形条件などを確認します。
  2. 施工条件に応じた補正:
    • 市街地での施工、山間僻地での施工、冬期施工など、現場条件に応じた補正係数を適用します。
    • 複数の条件が重なる場合は、それぞれの補正係数を正確に掛け合わせる必要があります。
  3. 地域特性の反映:
    • 地域ごとの労務単価、資材単価の違いを反映させます。
    • 地域の気象条件(積雪、多雨など)も考慮します。

実務のポイント:

  • 現場条件の見落としは積算精度を大きく下げる要因となるため、チェックリストを活用して確認漏れを防ぎます。
  • 過去の類似工事の積算内容を参考に、発注者がどのように現場条件を反映しているかを把握します。

見積徴収の効果的な手法

物価資料に掲載されていない特殊資材や工法については、見積徴収単価が使用されます。この見積単価の取扱いには特有のテクニックが必要です。

  1. 発注者の見積処理方法の把握:
    • 発注者は通常、3社程度から見積りを徴収し、処理を行います。
    • 処理方法としては、「最低価格の採用」「平均値の採用」「最低価格に掛け率(80~90%程度)を乗じた価格の採用」などがあります。
  2. 戦略的な見積り取得:
    • 発注者が見積りを徴収する可能性が高いメーカーや販売店を予測し、同じ業者から見積りを取得します。
  3. 見積り内容の精査:
    • 見積りに含まれる範囲(運搬費、取付費、諸経費等)を明確にします。
    • 見積条件(納期、支払条件等)が発注条件と整合しているか確認します。

実務のポイント:

  • 見積単価は材料費だけでなく、特殊工法や機械損料などにも適用されるため、広範囲に渡って検討が必要です。
  • 見積りを取得する際は、できるだけ具体的な仕様や条件を提示することで、精度の高い見積りを入手することができます。

特殊工事の積算アプローチ

標準的な工事と異なる特殊工事の積算には、独自のアプローチが必要です。

  1. 類似工事からの推定:
    • 過去の類似特殊工事の積算内容を参考にします。
    • 工法や規模が異なる場合は、適切に補正を行います。
  2. 専門業者の活用:
    • 特殊工法に精通した専門業者から情報や見積りを収集します。
    • 専門業者の技術提案を積算に反映させます。
  3. 新技術・新工法の情報収集:
    • NETIS(新技術情報提供システム)等から新技術・新工法の情報を収集します。
    • 開発元のメーカーから詳細情報や価格情報を入手します。
  4. 発注者との対話:
    • 入札前の質疑応答を活用して、不明点や特殊条件を確認します。

実務のポイント:

  • 特殊工事ほど発注者と応札者の積算に差が生じやすいため、発注者の考え方を正確に把握することが重要です。
  • 発注者が想定していない工法や材料を提案する場合は、入札前の段階で質疑応答等を通じて確認することが望ましいです。

5. デジタルツールを活用した積算効率化

積算ソフトの選定ポイント

積算業務の効率化と精度向上には適切な積算ソフトが欠かせません。特に土木工事積算システム『Gaia Cloud』は、現代の積算ニーズに応える優れた機能を備えています。

  1. Gaia Cloudの主な特長:
    • 全自動積算機能: 設計書から自動的に積算条件を取得・設定し、計算処理が従来製品の10倍以上のスピードで完了
    • 高精度な積算: 発注者や工事ごとの高度な設定が可能で、複雑な補正や工種条件にも柔軟に対応
    • クラウド技術: 積算データの安全な保存とどこからでもアクセス可能な利便性を実現
    • 情報共有の効率化: 「共有フォルダ」機能による社内データ共有で、チーム全体の生産性を向上
  2. 積算ソフト選定時のチェックポイント:
    • データ更新の頻度: 『Gaia Cloud』は積算基準の改定に合わせて迅速にデータ更新が行われます
    • 対応する工事の種類: 一般土木、農林、造園、橋梁、トンネルなど多様な工種に対応し、幅広い案件に活用可能です
    • 単価データの充実度: 地域ごとの単価データが網羅されており、定期的に更新されます
    • 使いやすさ: 直感的な操作性と見やすい画面設計で、初心者でも使いこなせる設計です
  3. 導入効果:
    • 時間削減: 従来の手作業と比較して大幅な時間短縮を実現
    • ミス防止: 自動計算と二重チェック機能により、積算ミスを大幅に削減
    • 精度向上: 発注者の積算基準に忠実な計算により、予定価格の推定精度が向上
    • 競争力強化: 短時間で複数の積算パターンを検討でき、戦略的な入札が可能に
  4. サポート体制:
    • 導入時の丁寧な研修プログラム
    • 充実したマニュアルとオンラインヘルプ
    • 技術的な問い合わせに迅速に対応するサポートデスク
    • 定期的なバージョンアップと機能拡張

Gaia Cloud』を導入することで、本記事で解説した積算テクニックをより高い精度と効率で実践することが可能になります。特に、発注者別の積算傾向の分析や、最低制限価格の精度の高い推定において、その機能を存分に活用できるでしょう。

過去データの分析手法

過去の入札データを活用すれば、より的確な積算が可能になります。難しい統計手法ではなく、実務で使える分析方法をご紹介します。

  1. 何を分析すべきか:
    • 予定価格の差: 自社の推定額と実際の予定価格を比較し、どの程度ずれているか確認
    • 最低制限価格の計算: 実際の最低制限価格がどのように算出されているか検証
    • 落札率の傾向: 工事の種類や発注機関ごとに落札率に傾向があるか調査
    • 競合他社の入札行動: 同業他社がどのような価格帯で入札する傾向があるか分析
  2. 簡単にできる分析方法:
    • 同じ表で比較: 類似工事の数値を同じ表にまとめて比較し、違いを見つける
    • グラフ化: エクセルで簡単な棒グラフや折れ線グラフを作成し、傾向を視覚的に把握
    • 平均値の計算: 同じ種類の工事の落札率などの平均を出し、基準値とする
    • 発注機関別の整理: 国、県、市町村など発注機関ごとにデータを分けて傾向を把握
    • パターン発見: 「この発注者は必ずこの計算方法を使う」といった規則性を見つける
  3. 分析結果の活用法:
    • チェックリスト作成: 分析から得た注意点をチェックリスト化して積算時に活用
    • 積算への反映: 発注機関ごとの特徴を積算に反映
    • 入札価格の決定: 過去の落札率から適切な入札価格帯を設定
    • 利益率の予測: 過去の実績から、同種工事での利益率を予測

実務のポイント:

  • 難しい分析より、継続的にデータを集めることが大切です。
  • 入札結果が出たら必ず自社の積算と比較し、違いを記録しておきましょう。
  • Gaia Cloud』の分析機能を活用すれば、より高度なデータ分析も簡単に行えます。

社内の積算ノウハウを共有する方法

積算の経験やコツを社内で効果的に共有することは、会社全体の積算能力を高める鍵となります。難しいシステムや仕組みがなくても実践できる方法をご紹介します。

  1. 共有すべき大切な情報:
    • 積算のコツ: 効率的な計算方法や精度を高めるためのポイント
    • 発注機関の特徴: 「○○県は○○の計算方法を使う」といった発注機関ごとの特徴
    • 単価情報: 地域ごとの最新単価情報や変動傾向
    • 過去の事例: 成功した入札事例や失敗から学んだ教訓
    • よくある間違い: 積算ミスや失格になりやすいポイントとその対策
  2. 手軽にできる共有方法:
    • 定例会議: 週1回や月1回の情報共有会議を設けて体験を話し合う
    • 朝礼での報告: 入札結果や重要な気づきを朝礼で簡潔に共有
    • 資料ファイル: 重要な情報を紙ファイルにまとめて誰でも見られるようにする
    • ベテランと若手のペア: 経験豊富な社員と若手をペアにして知識を伝える
    • 事例検討会: 成功事例や失敗事例を題材に、皆で話し合う場を設ける
  3. 情報を整理して保存する仕組み:
    • 共有フォルダ: パソコン上に共有フォルダを作り、積算資料を保存
    • マニュアル作成: よくある質問や重要なポイントをまとめた簡易マニュアル
    • 工事別ファイル: 過去の工事ごとに積算資料と実績を整理したファイル
    • 単価表の共有: 最新の単価情報を一覧表にしてすぐ参照できるようにする
    • チェックリスト: 積算時や入札前に確認すべき項目のチェックリスト
  4. 情報共有の文化づくり:
    • 社長からの声かけ: 経営層から情報共有の重要性を伝える
    • 成功の表彰: 有益な情報を共有した社員を評価・表彰する
    • 振り返りの習慣: 工事や入札が終わったら必ず振り返りの時間を持つ
    • 質問しやすい雰囲気: 「わからないことは恥ずかしくない」という文化づくり

実務のポイント:

  • 難しい言葉や複雑な仕組みより、実務に直結する具体的な情報が重要です。
  • 「このやり方で成功した」「ここで失敗した」といった実体験が最も貴重です。
  • Gaia Cloud』のような積算ソフトを導入すれば、データの共有や協働作業がさらに効率化されます。

積算業務の効率化を実現する土木工事積算システム『Gaia Cloud

土木積算の精度向上と業務効率化を同時に実現するためには、専用の積算ソフトの活用が欠かせません。中でも土木工事積算システム『Gaia Cloud』は、現代の積算ニーズに応える優れた機能を備えています。

Gaia Cloudの主な特長

  1. 全自動積算機能:
    • 設計書から自動的に積算条件を取得して設定
    • 手作業と比較して大幅な時間短縮を実現
    • 計算処理が従来製品の10倍以上のスピード
  2. 高精度な積算を実現:
    • 発注者や工事ごとの高度な設定が可能
    • 精度の高い検索機能で正確な項目特定
    • 複雑な補正や工種条件にも柔軟に対応
  3. クラウド技術の活用:
    • 積算データの安全な保存
    • どこからでもアクセス可能な利便性
    • ハードウェア障害によるデータ消失リスクの排除
  4. 情報共有の効率化:
    • 「共有フォルダ」機能による社内データ共有
    • チーム全体での情報共有がスムーズに
    • 外出先や在宅勤務でも会社と同じ環境で積算可能

Gaia Cloudの実務における効果

積算ソフト『Gaia Cloud』を導入することで、本記事で解説した積算テクニックをより高い精度と効率で実践することが可能になります。ミスの少ない積算、短時間での複数パターン検討、発注者の思考に沿った計算など、競争力のある入札を実現するための強力なツールとなるでしょう。

特に、発注者別の積算傾向の分析や、最低制限価格の精度の高い推定において、『Gaia Cloud』の機能を活用することで、手作業では困難だった高度な分析や計算が可能になります。積算業務の効率化により、より多くの案件に対応する余裕も生まれ、受注機会の拡大にもつながります。

積算ソフトの中でも『Gaia Cloud』が選ばれる理由は、その使いやすさと精度の高さにあります。直感的な操作性と、発注者の積算基準に忠実な計算ロジックにより、積算担当者の負担軽減と同時に、積算精度の向上を実現しています。

まとめ

土木工事における積算は、入札の成否を左右する重要な業務です。本記事では、土木積算の基本から効率化までを解説しました。

積算の本質を理解し、単なる計算作業ではなく「発注者の思考プロセスを読み解く」作業として捉えることが重要です。積算と見積りの違いを認識し、常に発注者の視点に立った積算を心がけましょう。

積算担当者には、土木施工管理技士や建設業経理士などの資格取得を通じて専門知識を高めることをお勧めします。設計図書の正確な分析、工種区分と施工地域区分の見極め、適切な単価設定など、積算の基本プロセスを丁寧に実践することが精度向上につながります。

物価資料の効果的な活用、現場条件の正確な反映、見積徴収の工夫など、積算精度を高めるテクニックも積極的に取り入れましょう。また、『Gaia Cloud』のような積算ソフトの導入や、データベースの構築、過去データの分析、社内ノウハウの共有など、デジタルツールを活用した効率化も重要です。

積算業務は日々の経験の積み重ねが宝になります。失敗したときも「なぜ違ったのか」を検証し、次回に活かすことで確実に腕が上がっていきます。その知見を社内で共有すれば、会社全体の競争力強化につながるでしょう。

厳しい入札競争を勝ち抜くためには、正確な積算と戦略的な応札価格の設定が不可欠です。本記事と『Gaia Cloud』が皆様の積算業務の一助となり、より多くの工事を適正な利益で受注できるようになることを願っています。

ご購入前のお問い合わせ

商品ご購入前のご質問や資料請求・見積り依頼などはこちらから。

059-227-2932

資料請求・見積り依頼など
代表番号:9:00~18:00(土日祝除く)

内容の正確な把握とサービス品質向上のため、通話を録音させていただいております。

ご購入後のサポート

ご購入後の操作方法などサポートについてのご質問はこちらから。

0120-24-9801

Gaia, BeingBudget, BeingBid
フリーコール:9:00~18:00(土日祝除く)

059-221-0815

左記以外の商品
サポート専用:9:00~18:00(土日祝除く)

内容の正確な把握とサービス品質向上のため、通話を録音させていただいております。