実行予算の作成、協力会社との金額交渉において、労務費や機械費の数量が明示されていない「市場単価」や「土木工事標準単価」の見積に苦労していませんか?
今回は積算担当者と現場担当者の二人の会話から、施工手間の拾い出しについて考えてみましょう。
ああ、困った……。協力業者から見積をもらったんですけど、元の設計書では労務費や機械費の内訳がない「市場単価」だから、見積が高いのか安いのか比較できないんですよね……。今までの現場で自分なりの歩掛を取っておけばよかった……。
たしかに内訳がないときに施工手間を拾い出すのって面倒だよね。
内訳がないケースとして「市場単価」や「土木工事標準単価」、「施工パッケージ」が挙げられるけど、これらは材料費、労務費、直接経費(機械費など)の部分を、実勢価格や施工状況実態調査に基づいて計算しているんだ。
だけど、あくまで標準的な施工を行った場合を想定した金額が示されているだけで、施工規模や状況によっては実際の費用とは違ってくるから、正確に算出しようと思ったら単価にさまざまな補正をする必要がある。
労務費や機械費の具体的な数量や割合は明示されていないと困ることが多いよね。
そうなんです。施工手間が明確でないってことは、現場用の実行予算を作成したり、協力会社から受け取った見積が適切かどうか判断したりするときにも厄介で……。
だったら、過去の積算基準で使われていた歩掛を参考にしてみたらどう?
「市場単価」「土木工事標準単価」「施工パッケージ」というのは、積算の標準化や実勢価格の反映、作業の簡素化のために導入されたわけだけど、以前は積み上げ式で計算していたんだ。
だから、過去の積算基準で使われていた歩掛を参考にすれば、そこから必要な労務や機械などの施工手間もわかるんだ。
でも、積み上げ方式から「市場単価」「土木工事標準単価」「施工パッケージ」へ移行した年度は工種によってバラバラ。それって、各年度の積算基準を確認していく必要があるってことですよね? そんなの面倒臭くてやってられないですよ……。
そうだよね。ただ、積算ソフトがあれば簡単に調べることができるかも。一部のソフトでは、「市場単価」や「土木工事標準単価」に移行する前の「積み上げ方式の歩掛データ」が載っていて、過去の歩掛をすぐに確認できるんだ。
自分で調べなくても、過去の情報がソフトに載っているのはありがたいですね。
機械が絡むと燃料や運転手が影響して調べる手間が増えがちだけど、ソフトを使うと、機械の運転表をパッと表示できたり、そこから最新の労務費や機械費に合わせて算出できたりして、手間を一気に減らせる場合もあるよ。
へえ、それなら「機械費・労務費・材料費」の集計も取れて、要素別に必要経費が分かるし便利かも……。
協力会社に見積を依頼した場合でも、金額の根拠として使うことで交渉に役立つと思うよ。
積算をする立場としては、必要な労務費や機械費の内訳がハッキリとわからない状態で、単に最低制限価格にだけ合わせて入札しても、本当に利益が出るかどうか分からないから、積算をする際には要素別にコストをある程度把握する意識を持つようにしている。
現場での実行予算も同じだよね。労務費や機械費の内訳が分かると、標準的な「市場単価」だけでは読めない「日当り施工数量」を算出したり、現場に合わせて調整したりもできる。
当たり前だけど大切なことですね。それに、根拠を示すことで、相手から信頼してもらえたり提案を受け入れやすくなったりするかもしれないですよね。
過去の歩掛を参考にして、施工手間を見積もってみます! 便利そうだし積算ソフトを使ってみようかな。
◇ まとめ ◇
いかがでしたか?
「市場単価」や「土木工事標準単価」の施工手間を拾い出すことは一見面倒ですが、積算ソフトを活用することで大きく手間を減らすことができます。
土木工事積算システム『Gaia Cloud』では、過去の積み上げ方式のデータを豊富に搭載しているため、特殊なシチュエーションにおいても施工手間を正確に把握し、予算のズレを防ぐことができます。また、実行予算および原価管理に特化した『BeingBudget』という製品もあります。
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